長野の方言でよく聞く「するしない」
するの?しないの?いったいどっち?!(笑)
そんな疑問のお答えと、私が実際聞いたことのある長野の方言をご紹介します。
私は長野北部に住んではいますが、長野県育ちではありません。
長野の方言を聞くと「長野」を実感します。
長野の方言「するしない」の意味は?
「するしない?」の意味や使われ方を調べてみると、同意を求める時に使うのだそうです。
- 「そうするしない?」⇒普通はそうするんじゃない?するよね?(同意を求める)
相手に「そうだよね?」と問いかけ、同意をしてもらいたいときに使われます。会話の流れからだと判断しやすと思います。
そして、もう1つ同意を求めるという点で似通っていますが、勧誘的な意味もあるそうです。
- 「ランチするしない?」⇒「ランチするよね?」(同意を求める)⇒「ランチ行こうよ!」(勧誘)
- 「遊びに行くしない?」⇒「遊びに行くよね?」(同意を求める)⇒「遊びにいこうよ!」(勧誘)
長野の「するしない?」奥が深いですね。
長野のママ友と話すと「~だしない?」「~するしない?」をよく耳にしますよ。
私の母親は長野北部の出身です。
なので、親戚の集まる夏休みやお正月に叔母(伯母)さん達から「~するしない?」「「~だしない?」をよくきいていたこともありニュアンスは何となく知っていました。
ですが、県外出身の旦那は長野に来て
「するしない?」
を初めて耳にした時に、「一体どっちなんだ?!」と本気で考えたそうです(笑)
長野の方言「するしない?」をわが子が使った
最近、長男が「それするしない?」と言いました。
「それするんじゃないかな?(普通それするよね!)」という意味で使ったようです。(※同意を求める)
長男が長野の方言を使ったことに、ちょっと違和感がありましたね(笑)。
長男は小学生。親との生活よりも学校での生活時間が長くなっています。お友達と話す時間も増えて、友達との会話で習ってくるんでしょうね。
長男のお友達が家に来ると、お友達は「するしない?」よく使っていますよ。
ご両親が長野出身だと「するしない」をよく使うようですね。
我が家の三男は「するしない」をよく使います!
私も旦那も長野育ちでないので2人とも長野の方言は使いませんが、よく一緒にいる友達が「するしない」をよく使います。
それで、三男も「するしない」をよく使うようになったようです。
長野の方言「するしない」は若い人も良く使います
若いママさんの「○○するしない?」も良く聞くし、若いパパ達も会話で良く使っていますね。「○○するしねぇか?」とか良く聞きます。
最後に、私が実際に聞いたことがある「長野の方言」を少しご紹介します↓
私が聞いたことがある長野方言【北信版】
耳にした長野方言、ラジオで聞いた長野方言、お年寄りと話したときに聞くことができた長野方言をご紹介します。
ずく
「ずく」とは「やる気」「根気」のこと。
これは私が移住して最初に「?」と感じた長野方言。
農作業中に聴いていたラジオで知った方言です。
ラジオで毎日流れていた番組が「ずくだせえぶりでい」(長野ではおなじみのSBCラジオ放送の番組)です。
番組中に♪ずくだせえぶりで~♪とリズムよく流れるんです。
最初は意味が分からないし、聞いたこともない言葉だったので何を言っているのかさっぱり分かりませんでした。
祖母にたずねてみると、「ずく」とは「やる気」「根気」のことだそうです。
そういえば、私の祖母が「やりたいことはたくさんあるんだけん、もう歳とたっからズクなしでねぇ…」と使っていました。
「やりたいことはあるんだけど、歳とってきて体力もないから、どうもやる気が出なくてねぇ…」ということです。
※「あるんだけん」=「あるのだけれども」という意味。「~けん」は「~だけれど」の意味で、逆説の接続詞です。
りんごがボケる
収穫から時間がたってりんごが柔らかくなり、水分も抜けてきて、味がぼやけること。
春先の柔らかくなったりんごを食べたことがありますか?
…このリンゴ、ボケてて美味しくないねぇ~
って言います。
シャキッとした歯ごたえの、ちょっと酸味があって、美味しいりんごから遠い存在になってしまったことを「りんごがボケた」と言います。
りんご県長野ならではの方言なんでしょうか?
私は昔から使っていたので、方言とは思いませんでした。三重県出身者の旦那にも聞きましたが、三重県でも使っていたということです。
長野県以外の県でも使うところもあるみたいですよ。
あるテレビ番組でも「りんごがボケる」という方言が話題になっていました。
べちゃる
「捨てる」の意味。
祖母の家では悪くなってしまった野菜や果物は庭にべちゃります。
「まえでにべちゃって」というのをよく祖母が言ってました。
玄関先の庭の一角に生ごみを捨てる場所がありました。そこに捨てておいてということです。
空間的に前であることを「まえで」といいます。
祖母の仲良しのお茶のみ友達は「まえでのみっちゃん」でした。
祖母の家の前(玄関方向)の家に住んでいる「みっちゃん」という優しいおばあちゃんでした。
なっちょかい?
「なっちょ?」⇒「どう?」ということです。様子を聞くときに使います。
これは祖母から習いました。
祖母の手料理を食べた時「なっちょかい?」と聞かれました。
「どう美味しい?」ということです。
「具合はなっちょかい?」⇒「具合はいかがですか?」とかも使いますね。
最近、近所のおじさんたちの会話で「なっちょかい?」が使われているのを耳にしました。
わにない(わにる)
「わにない」⇒「人見知りしない、いい子だね~」のような感じです。
これは子供が生まれてから知りました。
長男が小さい時は(1歳くらい)、誰にも人見知りしないニコニコとしている愛想のいい子でした。
スーパーへ買い物に行くと誰にでもニコニコしていたので、「可愛いね~、わにないねぇ~」と、よく買い物中のおばちゃんたちに言われました。
~かや?
「~かな?」ということです。
「この味付けちょっと辛いかや?」みたいな感じ。
あんまり長野方言は使いませんが、最近「~かや?」だけは自然に口から出てくるようになりました。
これでいいんかや?
⇒「これでいいのかな?」という意味。
朝、子供達がなかなかご飯を食べない時…↓
朝ごはん食べなくていいんかや?!
⇒朝ごはん食べなくっていいの?!急ぎなさい~!
いいさぁ~
「いい(↓)さぁ~(↑)」発音はこのような感じになります。
長野の方言かどうか分かりませんが、イントネーションが気になりました。
「いいよ、いいよ、気にしないで」ということ。
近所のおばちゃんに何かをしてもらったり、いただいたりしてお礼を言うと
「いい(↓)さぁ~(↑)」
と返事が返ってきます。
ママ友にもお礼を言うと「いい(↓)さぁ~(↑)」とお返事が。
「ありがとう」は、長野では「ありがとー(↑)」っとなぜか語尾が上がります。
きっと長野の言い回しなんですね。
ちなみに半袖は、「はん(↑)そで(↓)」という発音されるみたいです。
こすい
「ずるい」という意味です。あんまり良い意味ではないですね。
長野へ移住して務めていた会社の社長さんが、「今度働きにくる人は、こすい人じゃないけん(ずるい人ではないよ)。」っと言っていました。
過去に何かあったのかな??
とんでいく
「ほらほら、とんでかないと間に合わないぞ~!」
「走っていく」「急いでいく」という意味合いで使われていました。
私が急いでいると、おばあちゃんが「ほれ、とんでけ、とんでけ!」とよく言っていました。
「走る」を「とぶ」と表現するようです。
おら
自分のことを「おら」といいます。
お年寄りはもちろん、わりと若い人でも、調子よく話す時には自分のことを「おら」と言います。男女両方使いますよ。
「おらほ」という方言もあります。
「おらほ」は「自分の○○」という意味だそうです。
私が庭(畑)で野菜の種や苗を植えていると、通りすがりのおじいさんに、
「おらほ(の畑)はまだだ~」⇒自分の畑ではまだやっていない
っと言われました^^
この場合、「の畑」が省略されていますね。
ほとばす
水に浸すことです。
よくおばあちゃんが、乾燥した豆を水に浸してもどすことを「ほとばす」と言っていました。
長野の方言は他にもたくさんあるので、興味がある人は調べてみてくださいね。
私は北信(長野県北部)に住んでいますが、長野は南北に長いので地域によって使われる方言もちがってきます。
方言って面白いですね!